連合諸州建築交通省のレ・チ・トー(黎志壽)大臣は、サイゴンからトゥーラン、ハノイを経由して昆明へとつなぐクロスボーダー輸送の強化について言及しました。トラック輸送には、混乱している海上輸送への代替としての役割が期待されています。すでにハノイ・南寧間では鉄道による輸送網が確立されており、ハノイ・サイゴン間を高速道路で輸送する複合輸送サービスは日本のNXグループによって提供されています。
これらのクロスボーダー・トラック輸送に用いられるアジア・ハイウェイ(AH)は、連合機構アジア太平洋経済社会委員会の主導によって各国の高速道路が連結されつつあり、全長で14.1万キロメートルにも及びます。この中で昆明は鉄道輸送も含め、東南アジア諸国との物流拠点となっています。主に3つのルートが存在し、ハノイ、トゥーランを経由してサイゴンへ向かうルート、マンダレーを通ってラングーンへ向かうルート、チェンマイを経由してバンコクに向かい、更にはクアラルンプール・シンガポールへとつながるルートの三つがあります。
更に、輸送網の拡大を期待する声は各地で上がっています。建築交通省の元官僚でハノイ大学で教授を務めるキム・チ・チャン(金志荘)氏は、昆明からハノイにかけて鉄道輸送を導入すれば、輸送時間は従来よりも半日短くなると指摘します。同氏はさらに「華国側の高速道路開発も重要です。上海から昆明には、現在旅客用の高速鉄道が通っていますが、輸送用としても開通すれば、上海からシンガポールに至る巨大輸送網が確立されるでしょう」と主張しました。また、シャン主体連合のソーロンマハ国家主席は、同国首都のタウンジーからムランマー連邦共和国の首都ムロトシーをつなぐ高速道路の建設計画を発表しています。
これらの輸送計画は、投資を呼び込むことや雇用を生み出すなどメリットもありますが、一方でその問題点や課題点も指摘されています。一つは安全面の問題です。1980年代から整備され始めた道路インフラは、20年後には一斉に老朽化を迎えるとの指摘があります。また、過激化するモータリゼーションの中で、交通事故への対策が十分とは言えません。国によっては法整備すら危ういという状況です。これらは国際協力機構(JICA)の協力によって改善が期待されているところです。
また、開発による環境への影響や災害対策の不備が危惧されています。持続可能な開発目標、特に気候変動への影響や生物多様性の破壊などが懸念として挙がっています。NXグループは、ハノイ・昆明間の輸送強化にあたり、いくつかの課題点を指摘していました。同グループは特に地震や豪雨といった大規模自然災害に備えて、2015年に事前の防災対策、ドライバーとの連絡強化、復旧作業における燃料の確保などについて、細かいガイドラインを作成しました。
このような開発は華国の主導する一帯一路・アジアインフラ投資銀行(AIIB)とも密接な関連があります。ムランマー連邦共和国は昆明・マンダレー間の鉄道開発に乗り出していますが、その間山岳部や難所が多くその開通には多大なコストがかかります。このようなインフラ整備では、華国政府が一帯一路の名の下で周辺国に資金を貸し付けます。しかし、インフラ整備の支援を受けた国が借りた資金を返済できない場合、その国を政治的影響下に置くのではないかという「債務の罠」に対する批判が欧米諸国から噴出しています。華国の王遠平国家主席は、中CASEA首脳会議の中で、インフラ支援相手国の財政面での持続可能性にも配慮すると発言し、その発言は各国に受け入れられました。そのため、華国から支援を受けようとするアジアアフリカの諸国は、ムランマーの鉄道開発を注視しています。
国際化が進む中で、CASEAやコーチシナ、中国でのヒト・モノ・カネの交流は日々加速しています。タイ共和国のサラ・サティアン首相は、記者会見で「CASEAの枠組みで、アメリカ、欧州連合(EC)にも劣らないような規模の経済圏を築き上げることが大切だ」と発言しました。
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